2011年 8月 脳外科にて検査

脳外科にて二回目の受診。
再びMRIを行っての検査となる。

結果は、明らかに脳脊髄液減少症である。との診断だった。

医師曰く、ここまではっきり画像に出るのはとても珍しいとのこと。
漏れも、脳の沈みもはっきりと画像にて確認できた。

脳外科の担当医曰く、
いまだ、特殊な撮影方法と診断方法が必要で、
かなり限られた人数の医師しか判断できない。というのが現状。
また、この症例に対して、まだまだ批判的な医師もいるとのことだった。

なにはともあれ、
これといった外傷の起因要因もわからず、
はっきりと脳脊髄減少症と夫が診断されたということは、
やはり、この病気は、どのような人にも起こりうる。
ということがひとつ証明されたのだと思う。

自分でも気づいていない脳脊髄液減少症の患者は、
まだまだ多く存在するのではないのだろうか?


医師の診断をうけ、手術を行う事に。
日程は9月のシルバーウィークの連休を利用して行うこととなった。
1度目の手術で改善する率はかなり低い。
なので、2度目3度目も視野にいれておくように。と忠告を受ける。
費用は20万円前後となるだろうとのこと。

入院自体は3日間と短いが、退院後できうる限り横になっている必要がある為、
会社には有給をとり、自宅療養を1週間行うこととなった。

その後、はじめに訪れた大学病院の外科医師に報告。
先生自身も驚いていた。

また、神経内科にも報告。
点滴を受け、痛み止めを処方してもらう。
頭痛は痛み止めで大分収まる為、以前より業務に支障をきたすことはなくなった。

2011年7月 神経内科および脳外科受診

会社の近くの神経内科を受診。

問診のあと、医師により「髄液が漏れている可能性がある。」とのこと。
とりあえず点滴治療を行い、痛み止めをもらう。
これで改善がみられれば、良いとのこと。

3日後、やはり症状に変化がみられず。
再び、神経内科を受診。
かなり髄液が漏れている可能性が高いとのことで、専門の医師の判断が必要と告げられる。
紹介状をもらい、脳外科を受診することとなる。

2日後、脳外科受診。
問診と簡単なテストをうけ、やはり髄液が漏れている可能性が高いとのこと。
脳と腰のMRI検査を行い、結果によっては手術が必要であるとのこと。
ここにきて初めて「ストレス」という言葉を聞かず、夫は嬉しかったそうだ。
来週と盆明けに検査予約。

2011年6月 神経内科受診

ある程度の症状の改善がみとめられたもの、慢性的な頭痛、集中力の低下がまだみられる。
気温が上がってきて、症状がまた悪化する。

耳鼻科の医師によると、見える部分の副鼻腔炎は完治しているとのこと。
大学病院からMRIの画像を取り寄せ、画像診断してもらうが、やはり炎症はみられない。

再び、なにかストレスがあるのではないか?との医師からの質問。
再び否定。

耳鼻咽喉科ではこれ以上できる治療がないため、神経内科の受診をすすめられる。

2011年1月続き 耳鼻科受診

大学病院の耳鼻科ではなく、通いやすいようにと、会社のそばの耳鼻科を受診。

問診・レントゲンから軽度の副鼻腔炎が判明。
ひどい場合は手術が必要だが、投薬の治療で治せる状態のこと。
毎週、耳鼻科に通うこととなる。

鼻の通りをよくする薬・炎症止め・抗生物質などを服用する。
症状は劇的に改善がみられ、とりあえずひと安心する。

2011年1月 MRI・CT

年末年始にかけて胃腸風邪を患う。
風邪がなおってからも、あいかわらずのめまいと頭痛。横になっている時間が多くなる。
ロキソニンを飲むと、少し動けるようになるが、症状の改善はみられない。

年明け早々に、MRIをうける。

結果はやはり目立った異常はなし。
しかし、ごくわずかに、副鼻腔炎(ちくのう症)の炎症がみられるとのこと。

再び、医師の「何かストレスがあるのではないか?」との質問。
とりあえず、耳鼻科を受診することとする。

2010年12月 消化外科受診

9月以来、症状の改善は見られず、めまい・ふらつきがひどくなる。
車の運転も困難となり、つねに酩酊状態のような感覚が続く。
集中力の低下が顕著となり、記憶力の低下もおこる。

知人の紹介をうけ、大学病院の消化外科を受診。
精密な血液検査を行うが、結果は全て異常なし。
医師からなんらかの心因的ストレスはないか?と聞かれるが否定。
MRIおよびCTスキャンを、年明けにうけることとなる。

あまりにも症状がひどいため、ロキソニンを頼んで処方してもらう。
服用すると幾分かは楽になる。

2010年9月 内科受診

吐き気・めまいを常に感じるようになり、内科を受診。
このときの、症状としては、以前に治療した肝障害・胃腸炎に似たものだった。

内科に健康診断の結果をもって、受診するも、血液検査の結果に異常はなく、原因は不明。
胃腸系の薬をもらい、服用するが、症状は改善せず。

脳脊髄液減少症によって引き起こされる症状について

「脳脊髄液減少症」によって引き起こされる症状は実に様々です。
それゆえ、これまで、「精神的なもの」「気の持ちよう」「怠け病」などと言われてきた要因となっています。

現在確認されている症状:
頚部痛、全身倦怠、起立性頭痛、背部痛、集中力低下、視力障害、めまい、吐き気、聴力障害、顎関節症、起立性頭痛、頭重感、頚部痛、背部痛 、坐骨神経痛、上肢痛 、顔面痛、筋肉痛、腰痛、肩甲骨間痛、脳神経症状、 聴神経、めまい、耳鳴り、聴力低下、聴力過敏、耳閉感、視神経、視力低下、視野異常、羞明、視覚異常、三叉神経、顔面違和感 (顔面しびれ・顔面神経麻痺)、開口障害 (顎関節症)、迷走神経、自律神経障害 (動悸・発汗異常・体温調節障害・腸管運動障害等) 、目のぼやけ、眼振、動眼神経麻痺(瞳孔散大) 、眼瞼下垂、複視、光過敏、外転神経麻痺、味覚障害、嗅覚障害、咽喉違和感、発声障害、嚥下障害、高次脳機能障害、思考力低下、記憶力低下、鬱、睡眠障害、内分泌障害、月経異常、インポテンツ、乳汁分泌等、免疫異常、易感染症、アレルギー 、 倦怠感、易疲労感、食欲低下、電磁波過敏症、意識障害、無欲、小脳失調、歩行障害、パーキンソン症候群、認知症、上肢のしびれ、神経根症、直腸膀胱障害、嘔気嘔吐、頚部硬直、慢性脱水症状

脳脊髄液減少症の原因として考えられる要因について

脳脊髄液減少症の、はっきりとした原因はまだわかっていないようですが、いまのところ大きくわけて3つの要因が考えられています。

 1. 髄液の生産力の低下
 2. 髄液の過剰な吸収現象
 3. 髄液の漏れ

1. 髄液の生産力の低下
主に脱水症状などで引き起こされることがあるようです。点滴治療や経口水分摂取で症状が改善されることもあります。
実際、よく汗をかく夏の暑い時期にはいると、この症例が増えるそうです。

2. 髄液の過剰な吸収現象
脳脊髄液減少症との関連はまだよくわかっていないようですが、逆の脳脊髄液が増加することによって引き起こされる「水頭症」は髄液の吸収障害によって、引き起こされることがあります。

3. 髄液の漏れ
一番要因として多いのが、この髄液の漏れです。
何らかの外因的影響をうけ、髄液が漏れだしてしまうことが原因です。
交通事故や、転倒転落、出産のいきみなどが原因になっていることが多いようです。

ちなみに夫の場合、考え付くのが中学生の頃、友達と悪ふざけをしていて後脳部分を打ったことぐらいだそうです。
実際の研究でも軽度の外傷でも起こることがわかっており、誰にでも、いつでも起こりうる病気であることがわかります。

はじめに、脳脊髄液減少症について

元々この病気は「低髄液圧症候群」と呼ばれていました。
しかし、近年、必ずしも髄液圧との関連があるわけではないことがわかり、「脳脊髄液減少症」とよばれるようになりました。

しかしながら、「脳脊髄液減少症」というのは、いまだ正式な名称ではありません。
まだ、病気として確立しておらず、治療においては保険も適用されません。(2011年7月現在)有効とされる手術がありますが、全て自費で行わなければいけません。

ようやく先日、2011年4月から、全国的に検査が保険診療として認められることとなりました。来年度には、治療も保険対象になる可能性がみえてきています。

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今回、夫がこの「脳脊髄液減少症」の疑いがあるとの診断を受けました。
夫の場合の症状は、「慢性的な頭痛」「めまい」「集中力・判断力・理解力・計算力の低下」などがあります。
一般的には、こちらには書ききれないほど、他にも様々な症状が引き起こされるようです。
また、要因の項目を参考にしていただけるとお分かりになるかと思いますが、この「脳脊髄液減少症」外傷的要因が非常に高いとされ、つまり子供から大人まで誰にでも起こりうる病気です。こつんと頭を打ったことが「脳脊髄液減少症」を引き起こすことがあるのです。
 → 発症の原因として考えられる要因について
 → 引き起こされる症状について


夫は、発症から約1年をかけて、この病名にたどり着きましたが、多くの患者さんは10年以上の歳月をかけて、この病名にいたり、治療をうけています。
夫の場合、最近ちょうど、この「脳脊髄液減少症」がさまざまなメディアでクローズアップされてきたこともあり、運が良かったのだと思います。

素人の考えですが、隠れ「脳脊髄液減少症」を患っている方は非常に多いと思います。
「産後うつ」の診断を受けた方の中にも、実はこの病気を患っている人がいるのではないかといわれています。
私は特に、「うつ病」「自律神経失調症」などの診断を受けた方の中には、実はこの病気である方が多いのではないかと、考えています。

実際のところ夫も、これまで一番病名として疑われたのが、「うつ病」であり「自律神経失調症」です。
しかし、医師の「仕事や家庭でのストレスはありませんか?」の質問を頑なに拒み続け、一年かけて、ようやくこの病名に行き当たりました。
もし、一度でも「ストレスがあります。」と答えていたら、おそらく、まだ病名を探してうろうろと転院していたことと思います。

この病気は、決して死に直結した病気ではありません。
しかし、この病気によってひきおこされる症状のせいで、多くの方が普通の日常生活を送れない状態にまで追い込まれています。

拙い文章ですが、こちらの記録が少しでも同じ病気に苦しむ患者の方、ご家族の方の参考になればと思います。